企業にとってのSDGsの戦術は、規模の大小よりも”地域企業か否か”で異なるように思います。

地域企業にとって「地域の個性」は重要な経営資源

ここで「地域企業」とは、例えば私鉄やバス、タクシーや、地域の不動産会社、地域の独立店など、地域の人へのビジネスが基本の企業を指します。

例えば同じクルマでも、自動車メーカーは全国/多国籍企業ですがディーラーは基本的に地域資本の地域企業。信金や信組、地方銀行なども地域企業ですし、全国紙以外の新聞や地域誌などを出している出版社、キー局以外のラジオ局やテレビ局も地域企業に違いありません。

こうした地域企業の皆様にとって、その地域の個性が際立つことは、非常に重要な経営地盤の強化であるといえるでしょう。顧客のほとんどは地域の人です。また旅行者の消費も無視できないとしても、やはり地域の魅力が旅人を引きつける源になっています。

SDGsは「地球環境」ばかりではありません
あなたの街にもあの山火事が起きている!?

SDGsが話題ですが、SDGs=「地球環境問題」と、貧困や差別などの「国際問題」だと考える人が多い。しかしSDGsにも「地域」という大きな課題があります。

オーストラリアの山火事でゆっくりとしか動けないコアラが犠牲になった衝撃的な映像が世界に広まりました。あれを見て一般的には「オーストラリアが大変」「異常気象をなんとかしなきゃ」と思うわけですが、実は山火事にそっくりなことが各地方都市でも起きていませんか?

かつて地元のお店で個性に溢れていた街が、いつの間にか大手チェーンばかりになり、個性を失った街には外から人が来なくなり、すると大手は撤退して街がガランとしていく。そうなった後に、長年培った「その地ならではの価値」を取り戻そうと思っても時すでに遅し・・・。

まるで多様な希少生物が暮らしていた森がひと月で消失した山火事です。

出店地とは、多国籍企業(全国企業)にとってはコスパが悪ければ別の地に移る経営上の”条件”でしょう。また人よりも機械化やAIの方が合理性が高いとなればこれも当然そちらに舵を切ります。一方で地域企業にとって、「地域」とは他に替えられない存立の基盤です。

LIBな人が増えれば、地域企業もサスティナブルになる

だからこそ今、地域企業の皆様には、自分はこの街で「ローカルでインディなビジネス(LIB)」をしたいという小さな夢を持った人を応援していただきたいのです。

そういう人が、例え経済規模は小さくとも、イキイキと個性的な仕事をすることで地域の魅力は増幅していきます。それがまた同好の士を集め地域の魅力増幅が好循環に入っていけば、結果的には皆さんのビジネス・・・金融・交通・流通・メディアなど地域企業の経営も活気が出てくるのではないでしょうか。

具体的には何からすればいいのか? まずは、我々のLIB LABにぜひご参加ください。

SDGsが推進する「新時代」の中で、AIやICTの技術ベンチャー企業や巨大資本の多国籍企業と同様に、LIBという泥臭くアナログな生き方を志向する人たちがひとつの重要な役割を担うことが、だんだんくっきりしてくることと思います。